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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

 この上なく優しげなまなざしには、ほのかな熱も秘められていて。明姫は思わず頬が赤らむのを自覚した。
「わ、私はそのお妃さまのように綺麗でもないし、美人でもないわ。もう、良い加減なことばかり言わないでよね?」
「そうか? 私はそなたを可愛いし、美人だと思うが」
 そこで、よいしょと明姫の身体を持ち上げ、ユンは膝に乗せた。
「何より明姫は心が綺麗で優しい。そなたのような女に出逢えた私は幸せ者だ。そなたはは私の宝だよ、明姫」
「また、私をからかってるのね」
 真顔で囁かれ、明姫は身の置き所もなく、真っ赤になった。

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