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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

「からかってなどいるものか」
 だから、大切にする。一生涯かけて、そなただけを愛し抜く。
 ユンの真摯な声音が二人だけの静かな空間に響いた。
「口づけても良いか?」
 これも真剣に問われ、明姫は真っ赤になって頷いた。
ユンの顔が近づく。
「眼を閉じてくれ。こういうときは、眼を閉じるものだ」
 ユンに囁かれ、慌てて眼を閉じる。ほどなく、しっとりとした感触が明姫の唇に押し当てられた。最初はチュッ、チュッと小鳥が啄むような軽いふれあいが次第に深くなってゆく。

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