身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「そうね」
今度はいつ逢えるの? ふいに訊ねたい衝動に駆られたけれど、明姫はそのひとことを飲み込んだ。
ユンだって集賢殿に詰める官吏であり、学者なのだ。こんな風に宮殿内で密会を重ねるのが容易ではないことは判っている。万が一、露見すれば、ユンも明姫もただでは済まず、重い罰を受けることになる。
「それでは、また」
ユンが背を向けて足早に歩いてゆく。思わずその背に向かって、〝ユン〟と呼びかけた。
ユンが立ち止まり、首だけねじ曲げて振り返る。明姫は駆けていって、彼の背を抱きしめた。
「また、逢えるわよね?」
ユンはくるりと身体を回し、その腕に明姫を抱きしめた。
今度はいつ逢えるの? ふいに訊ねたい衝動に駆られたけれど、明姫はそのひとことを飲み込んだ。
ユンだって集賢殿に詰める官吏であり、学者なのだ。こんな風に宮殿内で密会を重ねるのが容易ではないことは判っている。万が一、露見すれば、ユンも明姫もただでは済まず、重い罰を受けることになる。
「それでは、また」
ユンが背を向けて足早に歩いてゆく。思わずその背に向かって、〝ユン〟と呼びかけた。
ユンが立ち止まり、首だけねじ曲げて振り返る。明姫は駆けていって、彼の背を抱きしめた。
「また、逢えるわよね?」
ユンはくるりと身体を回し、その腕に明姫を抱きしめた。