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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

「あなたを信じて、私、いつまでも待つわ」
 ユンが優しい笑みを浮かべて頷き、今度こそ二人は離れた。ユンは片手を上げ、踵を返して歩み去った。
 その足取りが速いような気がするのは、気のせい? 私だけがあなたから離れたくないと思っている?
 たった今、逢ったばかりなのに、もう顔が見たい、逢いたい、あなたに触れたい。
 いつもあなたの側にいて、その笑顔を見ていたい。私は、あなたに逢う度、抱きしめられる度に、我が儘で欲深くなっていく。
 ほんの少ししかあなたと共有できない時間を、もっともっとたくさん一緒に過ごしたいと願ってしまう。

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