身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「あら、でも最新の小説には、主人公の少女の恋人が身分違いの結婚を許して貰うために、女の子の実家を訪ねる場面があるのよ」
「それは、主人公の恋人が下僕だからだろう。私は下僕ではない。これでも、れっきとした集賢殿の学者だ」
ユンの言葉に、明姫はほくそ笑んだ。
「まさに、語るに落ちるだわね。その小説を読んでない人がどうして主人公の恋人が下僕だなんて知ってるの?」
「そっ、それはだな」
ユンは盛大な咳払いをした。
「大殿の内官―いや、爺やが年甲斐もなく、勤務中に小説などを読んでいるから、つい私も」
なおも言い訳めいた科白を並べようとするユンに、明姫は微笑んだ。
「それは、主人公の恋人が下僕だからだろう。私は下僕ではない。これでも、れっきとした集賢殿の学者だ」
ユンの言葉に、明姫はほくそ笑んだ。
「まさに、語るに落ちるだわね。その小説を読んでない人がどうして主人公の恋人が下僕だなんて知ってるの?」
「そっ、それはだな」
ユンは盛大な咳払いをした。
「大殿の内官―いや、爺やが年甲斐もなく、勤務中に小説などを読んでいるから、つい私も」
なおも言い訳めいた科白を並べようとするユンに、明姫は微笑んだ。