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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「私の家はもう少し先なの。直に着くわ」
「そなたの祖母どのは、どんな方なのだ?」
 到底、派手好きの吝嗇だとはいえない。
「歳の割には明るい色目の衣装を好むわ。あとは、そう、倹約家ね」
「そうなのか。倹約家とは、そなたの祖母どのらしいな」
 明姫はじろりと睨んだ。
「それも褒められているのか、けなされているのか判らない。何だか私が倹約家みたい」
 しばらくして、ポツリと思い出したように言った。
「最近は身分違いの恋が流行ってるらしいわねえ。例の小説の影響ではないかって、お役人が血相変えて本の流通を取り締まっているけれど」

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