身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
私室の座椅子は所々破けていたし、文机は愕くべきことに一カ所、脚が取れたのを間に合わせの棒切れを紐でくくりつけたまま使っている。
片隅に置いてある棚は傾き、その上に乗った青磁の花瓶は縁が欠けた挙げ句、既に枯れた花が挿しっ放しになっていた。
女主人が女主人なら、女中も女中だ。これは帰り際に女中頭を呼んで厳しく注意しておかなければと要注意事項に付け加えておく。
明姫はそっと傍らのユンを窺った。彼は背筋を伸ばし端然と座っている。その澄ました横顔からは、何を考えているのか判らないが、こんな悲惨な有様の家内を見て何も感じないはずがない。さぞや不調法な一族だと思われているのだろうと考えただけで、顔から火が出そうに恥ずかしい。
片隅に置いてある棚は傾き、その上に乗った青磁の花瓶は縁が欠けた挙げ句、既に枯れた花が挿しっ放しになっていた。
女主人が女主人なら、女中も女中だ。これは帰り際に女中頭を呼んで厳しく注意しておかなければと要注意事項に付け加えておく。
明姫はそっと傍らのユンを窺った。彼は背筋を伸ばし端然と座っている。その澄ました横顔からは、何を考えているのか判らないが、こんな悲惨な有様の家内を見て何も感じないはずがない。さぞや不調法な一族だと思われているのだろうと考えただけで、顔から火が出そうに恥ずかしい。