身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「なるほど、確かに明姫のお祖母さまは、なかなかの倹約家でいらっしゃるようだね」
唐突にユンが沈黙を破ったので、明姫は横目でにらみ付けた。
「吝嗇で物の道理もわきまえない礼儀知らず―。そう言いたければ言っても構わないのよ」
その剣幕に、ユンは眉をつり上げる。
「おいおい、いきなり喧嘩越しにならないでくれよ」
その時、回廊でコホンと小さな咳払いが聞こえ、両開きの扉が開いた。
二人はまたも顔を見合わせ、口をつぐむ。
「まあまあ、執事がお客さまがいらっしゃるとは伝えなかったものだから、とんだ失礼を」
その場にはいささかそぐわない華やいだ声が響き渡った。祖母クヒャンの登場である。
唐突にユンが沈黙を破ったので、明姫は横目でにらみ付けた。
「吝嗇で物の道理もわきまえない礼儀知らず―。そう言いたければ言っても構わないのよ」
その剣幕に、ユンは眉をつり上げる。
「おいおい、いきなり喧嘩越しにならないでくれよ」
その時、回廊でコホンと小さな咳払いが聞こえ、両開きの扉が開いた。
二人はまたも顔を見合わせ、口をつぐむ。
「まあまあ、執事がお客さまがいらっしゃるとは伝えなかったものだから、とんだ失礼を」
その場にはいささかそぐわない華やいだ声が響き渡った。祖母クヒャンの登場である。