身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
祖母の果てしないお喋りが始まりそうだったので、明姫は慌てて言った。
「お祖母さま、こちらは友人の李ユンさまです」
いざ紹介する段となって、何と言えば良いか判らず〝友人〟と言ってしまったのだが、この説明は大いにユンのお気に召さなかったようである。
明姫は所在なげに前に置かれた茶を手に取った。祖母が来る前、若い女中が運んできたのだ。その十八ほどの娘はユンを見ると、見る間に細い眼を一杯に見開いた。
小卓に乗せて運んできた茶を出すことも忘れ、いっとき、彼の綺麗な顔に見惚れていた。女に熱い視線を向けられているのには慣れているのか、ユンは女中に愛想の良い微笑みを返している。
「お祖母さま、こちらは友人の李ユンさまです」
いざ紹介する段となって、何と言えば良いか判らず〝友人〟と言ってしまったのだが、この説明は大いにユンのお気に召さなかったようである。
明姫は所在なげに前に置かれた茶を手に取った。祖母が来る前、若い女中が運んできたのだ。その十八ほどの娘はユンを見ると、見る間に細い眼を一杯に見開いた。
小卓に乗せて運んできた茶を出すことも忘れ、いっとき、彼の綺麗な顔に見惚れていた。女に熱い視線を向けられているのには慣れているのか、ユンは女中に愛想の良い微笑みを返している。