身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
女中は元からの赤ら顔を更に上気させ、それこそ酒に酔っぱらったような体で、危うく部屋から出るときには脚を滑らせて転ぶところであった―。
明姫は何となくそれが面白くなく、知らん顔で見ないふりをしていたが。
それはともかく、ユンは明姫を意味ありげに見つめ、素知らぬ顔で祖母に言った。
「お初にお目にかかります。私はこちらの明姫さんの許婚者です」
茶をひとくち呑んだ明姫は思わず生温く殆ど出ていない薄い茶にむせた。
「何を言うかと思えば、出任せを―」
「そなたは黙っていなさい」
が、ユンはさりげなく明姫を遮り、魅惑的な笑みを祖母に振りまいている。
明姫は何となくそれが面白くなく、知らん顔で見ないふりをしていたが。
それはともかく、ユンは明姫を意味ありげに見つめ、素知らぬ顔で祖母に言った。
「お初にお目にかかります。私はこちらの明姫さんの許婚者です」
茶をひとくち呑んだ明姫は思わず生温く殆ど出ていない薄い茶にむせた。
「何を言うかと思えば、出任せを―」
「そなたは黙っていなさい」
が、ユンはさりげなく明姫を遮り、魅惑的な笑みを祖母に振りまいている。