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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

 ユンは微笑んだ。
「明姫は誰にも渡しません。あの娘はとうに売約済みの札がついていますからね」
「売約済み?」
 きょとんとするクヒャンに、ユンは茶目付たっぷりに片目を瞑った。
「要するに、下世話な言い方をすれば、私の女だということです」
 しれっとして言うユンを見て、クヒャンは声を上げて笑った。
「明姫なら、たぶん、今の時間は庭にいると思いますよ。たいして広い庭ではないけれど、今は桜草が盛りなのです。

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