身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
「嫌いになったわけではありません」
明姫は消え入るような声で言った。
「じゃあ、どうして? 何故、私に何も言わないで出ていった?」
「私がお側にいては、殿下のご将来の妨げになるからです」
「そんなことを勝手に決めるな! 私は言ったはずだ。ただ一人の女を一生涯かけて守り愛し抜くと」
「―どうか、もうお帰りください。そして、二度とここにはおいでにならないで下さい」
心にもないことを言わねばならない自分が哀しい。本当はユンが逢いにきてくれて、飛び上がりたいほど嬉しいのに。つれない言葉を次々と繰り出しながら、心は血の涙を流していた。
明姫は消え入るような声で言った。
「じゃあ、どうして? 何故、私に何も言わないで出ていった?」
「私がお側にいては、殿下のご将来の妨げになるからです」
「そんなことを勝手に決めるな! 私は言ったはずだ。ただ一人の女を一生涯かけて守り愛し抜くと」
「―どうか、もうお帰りください。そして、二度とここにはおいでにならないで下さい」
心にもないことを言わねばならない自分が哀しい。本当はユンが逢いにきてくれて、飛び上がりたいほど嬉しいのに。つれない言葉を次々と繰り出しながら、心は血の涙を流していた。