身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
明姫と違って陽気で姉御膚の香丹とは性格も対照的だ。だから、かえって意気投合できたのかもしれない。ヒャンダンは明姫が王の側室として宮殿に戻ってきてからは、明姫付きの女官となった。それは明姫自身のというよりはヒャンダンの望みであり、また誰か明姫の気心知れた女官を側に置いてやりたいというユンの配慮でもあった。
明姫にとって、戻ってきた後宮がどれだけ針の筵であるか。ユンは誰よりそれを理解していた。自身の母である大妃は権高で何より、身分を重んずる女性だ。女官上がりの両班とはいえ、さして力のない家門の娘を側室として迎えることには端(はな)から異を唱えていた。
明姫にとって、戻ってきた後宮がどれだけ針の筵であるか。ユンは誰よりそれを理解していた。自身の母である大妃は権高で何より、身分を重んずる女性だ。女官上がりの両班とはいえ、さして力のない家門の娘を側室として迎えることには端(はな)から異を唱えていた。