身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
今は明姫が例の領議政に殺害された捕盗庁の副官の娘である―と大妃が知らないことが、せめてもの救いではあった。
この先、大妃の毒牙がいつ明姫に向けられるやもしれず、そのためには明姫の味方となってくれそうな存在は一人でも彼女の側に多くいた方が良い。
「夢を見たの」
「夢―」
明姫の言葉に、ヒャンダンは言葉を詰まらせた。
「また、あの夢ですか?」
正面に置いた鏡台に、背後のヒャンダンの顔が映っている。明姫は微笑んだ。
この先、大妃の毒牙がいつ明姫に向けられるやもしれず、そのためには明姫の味方となってくれそうな存在は一人でも彼女の側に多くいた方が良い。
「夢を見たの」
「夢―」
明姫の言葉に、ヒャンダンは言葉を詰まらせた。
「また、あの夢ですか?」
正面に置いた鏡台に、背後のヒャンダンの顔が映っている。明姫は微笑んだ。