身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
「誰か―、助けてっ」
明姫が叫んでも、顔を背けるばかりで、誰も助けてくれようとはしなかった。
〝可哀想に、好き者の両班に眼をつけられたんだね〟、〝どこかに連れ込まれて、さんざ慰み者にされちまうぞ〟。無責任な囁き声だけが明姫の耳に入ってくる。明姫の心は絶望で染まった。
「ホホウ、やわからい胸だ」
更に力を込めて乳房を上衣の上から揉まれ、明姫は覚悟を決めた。人気のない場所に連れていかれ、いわれのない辱めを受けるよりは潔くここで舌をかみ切って死のう。
両班家では、女の子には物心ついたときから常に小刀を持たせる。そして、万が一、辱めをその身に受けることがあれば、小刀で生命を絶つようにと言い聞かされて育つのだ。
明姫が叫んでも、顔を背けるばかりで、誰も助けてくれようとはしなかった。
〝可哀想に、好き者の両班に眼をつけられたんだね〟、〝どこかに連れ込まれて、さんざ慰み者にされちまうぞ〟。無責任な囁き声だけが明姫の耳に入ってくる。明姫の心は絶望で染まった。
「ホホウ、やわからい胸だ」
更に力を込めて乳房を上衣の上から揉まれ、明姫は覚悟を決めた。人気のない場所に連れていかれ、いわれのない辱めを受けるよりは潔くここで舌をかみ切って死のう。
両班家では、女の子には物心ついたときから常に小刀を持たせる。そして、万が一、辱めをその身に受けることがあれば、小刀で生命を絶つようにと言い聞かされて育つのだ。