身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
では何故、そんな娘がこの歳まで見習いでいたのかと疑問は残った。しかし、大妃の意向が働いていると知れている今、あれこれと詮索しても無意味である。それでなくとも大妃は明姫を快く思っていない。大妃の推薦した女官を拒絶すれば、余計に明姫への憎しみを煽ることになりかねない。
ヒャンダンは小首を傾げ、下級女官を見つめた。
「何故、そのようなことを私に訊ねるのだ?」
先輩らしい威厳を漂わせて訊ねると、成氏(ソンし)を名乗るその女官は淡々と応えた。
「いつもは落ち着いていらっしゃる洪女官さまが取り乱しているようにお見受けしたもので」
ヒャンダンは小首を傾げ、下級女官を見つめた。
「何故、そのようなことを私に訊ねるのだ?」
先輩らしい威厳を漂わせて訊ねると、成氏(ソンし)を名乗るその女官は淡々と応えた。
「いつもは落ち着いていらっしゃる洪女官さまが取り乱しているようにお見受けしたもので」