身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
「チッ。領議政さまにゆかりの女とは。しかも、甥の許嫁ときては、迂闊に手出しもできぬ。しかし、そなたの申すことは今ひとつ信用できない。本当なのか?」
と、ますます訝しむ視線を向けられ。
男は少しも悪びれもせずに頷いた。
「嘘だと思うのなら、そなたの父御に訊ねれば良い。そなたの父御は朝廷で礼曹参判(イエジョチャンパン)の要職に就かれる身であろう。私はそなたの父御を知っている。ああ、そう申せば、そなたは兵曹判書の甥でもあったな。そなたの従妹が畏れ多くもこたび、国王殿下の側室として入宮されたというではないか。ここはお祝いを申し上げるべきところであろうが、もし、町中で騒ぎを起こしたと知れれば、折角、殿下のお側に上がられたばかりの従妹君にも無用な迷惑がかかるのでは?」
と、ますます訝しむ視線を向けられ。
男は少しも悪びれもせずに頷いた。
「嘘だと思うのなら、そなたの父御に訊ねれば良い。そなたの父御は朝廷で礼曹参判(イエジョチャンパン)の要職に就かれる身であろう。私はそなたの父御を知っている。ああ、そう申せば、そなたは兵曹判書の甥でもあったな。そなたの従妹が畏れ多くもこたび、国王殿下の側室として入宮されたというではないか。ここはお祝いを申し上げるべきところであろうが、もし、町中で騒ぎを起こしたと知れれば、折角、殿下のお側に上がられたばかりの従妹君にも無用な迷惑がかかるのでは?」