身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
「―き、貴様ッ」
ニキビ面が顔面蒼白を通り越して、白くなっている。
「悪いことは言わない。ここは大人しく帰られよ。そなたが潔く手を引けば、私も口をつぐんでおるゆえ」
「わ、判った。恩に着る。今の言葉を忘れるなよ」
男は明姫を降ろすと、逃げるように人混みの中に紛れて消えた。
「危ないところだった」
「助かりました、ありがとうございます」
明姫は深々と頭を下げた。
「あの野郎、今度、見かけたら、ただでは済まさない。あいつがそなたの身体をニヤけた貌でいじり回しているのを見たときには、本気で殺してやろうかと思った」
ニキビ面が顔面蒼白を通り越して、白くなっている。
「悪いことは言わない。ここは大人しく帰られよ。そなたが潔く手を引けば、私も口をつぐんでおるゆえ」
「わ、判った。恩に着る。今の言葉を忘れるなよ」
男は明姫を降ろすと、逃げるように人混みの中に紛れて消えた。
「危ないところだった」
「助かりました、ありがとうございます」
明姫は深々と頭を下げた。
「あの野郎、今度、見かけたら、ただでは済まさない。あいつがそなたの身体をニヤけた貌でいじり回しているのを見たときには、本気で殺してやろうかと思った」