テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変 

「良いか、毒殺の可能性があることは絶対に外には洩らすな。また、この件に拘わった者にも同様、不必要に口外はせぬようにと厳しく口止めするのだ」
 ユンの言葉は直ちに内医院の職員たちや孫尚宮を通して中宮殿の女官たちに国王直々の厳命として伝えられた。
 もちろん、毒殺未遂の可能性に関しては、真実を知るのは内医院の侍医と限られた医女、中宮殿の女官では孫尚宮と腹心の女官数名に限られた。
 直ちに解毒効果のある煎じ薬が処方された。それを呑んだ王妃の容態が落ち着くまでユンは側にいたが、一刻後、中宮殿を出た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ