身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
いかにしても理解し得ないとはいえ、相手は十代の頃から連れ添った妻であり、血縁的にも従姉に当たる。いつか明姫にも告げたように、心が醒めきっているとはいえ、その妻を無下にできるものではなかった。
もしや、自分が冷たい態度を取ったことが妻の心を傷つけ、その精神的打撃があのような烈しい腹痛や嘔吐を引き起こしたのでは?
その可能性は否定できない。念のために、その夜、大殿に呼んで訊ねたところ、侍医からは曖昧な表情で返答があった。
「その可能性もまったくないとは言い切れませんが、現在は食あたりか毒が中殿さまの朝のお食事に紛れていたと考えるのが妥当かと存じます」
もしや、自分が冷たい態度を取ったことが妻の心を傷つけ、その精神的打撃があのような烈しい腹痛や嘔吐を引き起こしたのでは?
その可能性は否定できない。念のために、その夜、大殿に呼んで訊ねたところ、侍医からは曖昧な表情で返答があった。
「その可能性もまったくないとは言い切れませんが、現在は食あたりか毒が中殿さまの朝のお食事に紛れていたと考えるのが妥当かと存じます」