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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変 

 更に、
「しかしながら、時として精神に加えられた打撃が予想外の烈しい身体的症状を引き起こすこともあり得ます。人の心とはそれほど繊細なものですゆえ」
 と、侍医の声に、どこか咎めるような響きがあるように思えたのは自分のひがみだろうか。
「殿下」
 いつもお側去らずの内官が心配そうに声をかけてくる。ユンが退席を命じない限り、彼は大抵の場合、側にいる。今も浮かぬ顔で侍医とユンのやりとりを聞いていたはずだ。

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