身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
だがと、ここで考える。領議政の甥の云々はともかく、放蕩息子が礼曹参判の息子であり、兵曹判書の甥に当たるというのは満更、嘘ではないようだった。現に、放蕩息子はあの科白を聞いただけで真っ青になり、明姫を放り出して逃げ出したのだから。
「私が武官だと名乗ったのを信じてないな」
ふいに物想いを破られ、明姫は眼をまたたかせた。今度は明姫が笑う番だった。
「説得力がありません」
「それでは学者(ソンビ)だ。どうだ、これなら、信じられるか?」
大真面目な顔で言う男に、明姫は微笑んだ。
「もう、どちらでも良いです。私は別に、あなたの正体を詮索する気はありませんから。役人ではないもの」
「私が武官だと名乗ったのを信じてないな」
ふいに物想いを破られ、明姫は眼をまたたかせた。今度は明姫が笑う番だった。
「説得力がありません」
「それでは学者(ソンビ)だ。どうだ、これなら、信じられるか?」
大真面目な顔で言う男に、明姫は微笑んだ。
「もう、どちらでも良いです。私は別に、あなたの正体を詮索する気はありませんから。役人ではないもの」