身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
言いかける明姫に、男は〝つまらんな〟と首を振る。かと思いきや、前を向いて、それぞれの店からノリゲと簪を適当に選んだ。
「これなら対になりそうだ」
「旦那さま(ナーリ)、流石にお目が高い。その玉は灰簾石(タンザナイト)といって、滅多にない貴重な玉でできてるんでさ。この都中を探したって、なかなか手に入らない逸品ですぜ」
「儂の店のそのノリゲも玉は灰簾石ですよ、旦那」
滅多に手に入らない逸品が何故、このような露店に安値で並んでいるのか。それ自体がはや、店主たちの話が眉唾物だと語っているようなものだったけれど、この際、男は拘るつもりはないようである。
「これなら対になりそうだ」
「旦那さま(ナーリ)、流石にお目が高い。その玉は灰簾石(タンザナイト)といって、滅多にない貴重な玉でできてるんでさ。この都中を探したって、なかなか手に入らない逸品ですぜ」
「儂の店のそのノリゲも玉は灰簾石ですよ、旦那」
滅多に手に入らない逸品が何故、このような露店に安値で並んでいるのか。それ自体がはや、店主たちの話が眉唾物だと語っているようなものだったけれど、この際、男は拘るつもりはないようである。