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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

 大妃はそう言うと、明姫をにらみ付けた。そのまなざしの烈しさは、明姫すら鳥肌が立つほどのものだった。
 何故、自分がここまで憎まれねばならないのか? 理不尽さは募ったけれど、大妃にとってユンはそれほどまでに手中に収めておきたい息子なのかもしれない。単に家門繁栄のため、ペク氏の娘に次の王となる王子を生ませたいというだけではないのだろう。そう自分に言い聞かせた。
「そなたのせいで、我が息子はこの母を最早、母とも呼ばぬ。この怒りはそなたがこの世から消え去ったとしても、なくなるものではない」

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