身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
王の移動には宮殿内においても黄内官や尚宮が付き従い、長蛇の行列ができるものだ。今、内官や女官たちはすべて少し離れた場所に待機させている。
一人になりたいときは、そうやって少し彼等と離れるしかない。王とは不便なものだとつくづく思う。誰だって一人になって考え事をしたいときもあるのに、その自由すらない。
ユンはたった今、中宮殿と大妃殿を訪ねて帰る途中であった。突如として嘔吐や下痢に苦しんでから五日、既に王妃は体調をほぼ回復し、普段通りの生活を送っている。
まだ若いため、回復の度合いも早いのだと侍医は語っていた。
一人になりたいときは、そうやって少し彼等と離れるしかない。王とは不便なものだとつくづく思う。誰だって一人になって考え事をしたいときもあるのに、その自由すらない。
ユンはたった今、中宮殿と大妃殿を訪ねて帰る途中であった。突如として嘔吐や下痢に苦しんでから五日、既に王妃は体調をほぼ回復し、普段通りの生活を送っている。
まだ若いため、回復の度合いも早いのだと侍医は語っていた。