身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
「これから行くところがあるんだけど、そなたは、どこか行く途中だったの?」
いいえと首を振ると、男の顔が嬉しげに綻んだ。
「では、少し時間を取らせて申し訳ないが、一緒にどう?」
別にこれといって見たい場所、行きたいところがあるわけではなかった。ただ都の町や市の賑わいを見ているだけで、心は晴れたし、知らない間に淀んでいた澱のようなモヤモヤしたものもなくなっていた。
もっとも、それは町の賑わいや人々の躍動感溢れる生活ぶりのせいというよりは、予期せぬ場所でまたもや、この男に出逢ったお陰かもしれなかったけれど。
いいえと首を振ると、男の顔が嬉しげに綻んだ。
「では、少し時間を取らせて申し訳ないが、一緒にどう?」
別にこれといって見たい場所、行きたいところがあるわけではなかった。ただ都の町や市の賑わいを見ているだけで、心は晴れたし、知らない間に淀んでいた澱のようなモヤモヤしたものもなくなっていた。
もっとも、それは町の賑わいや人々の躍動感溢れる生活ぶりのせいというよりは、予期せぬ場所でまたもや、この男に出逢ったお陰かもしれなかったけれど。