身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
もしかして、これは嫉妬―。明姫は愕然とした。互いに名前どころか、どこの誰とも知らないのに、恋に落ちるなんてことが現実にあり得る? いや、向こうは自分のことなど何とも思っていないのはよく判っているから、これは自分だけの勝手な横恋慕にすぎない。
「お姉ちゃん、綺麗」
突然、話しかけられて、明姫は現実に引き戻される。男の子―マルが大きな眼を輝かせて見上げていた。
「この方は―」
女が物問いたげに訊ねると、男が笑った。
「宮殿で働いている女官ですよ」
「わあ、本物の宮女さまだぁ。宮女さま(ハンアニム)、宮女さま」
「お姉ちゃん、綺麗」
突然、話しかけられて、明姫は現実に引き戻される。男の子―マルが大きな眼を輝かせて見上げていた。
「この方は―」
女が物問いたげに訊ねると、男が笑った。
「宮殿で働いている女官ですよ」
「わあ、本物の宮女さまだぁ。宮女さま(ハンアニム)、宮女さま」