身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
ユンは嫌な予感がした。雨雲が空を覆うように、不安が心を黒く染めていく。
「母上はこのように仰せでした」
―殿下は金淑媛の処遇をこのままにしておかれるおつもりなのか?
「それはどういうことだ? 中殿」
ユンが整った面を不快げに曇らせたのを見、王妃は小さな溜息をついた。
「つまり、このたびの件について、淑媛はとりあえず罪を免れたものの、依然として嫌疑がすべて晴れたわけではない。そのような者をこのまま以前と同様に後宮に留め置いては、皆に示しがつかないと」
「私も持って回った言い方は嫌いだ。だから、はっきりと言うが、それは、つまり淑媛を後宮から追放するということか?」
ユンの声音は固かった。
「母上はこのように仰せでした」
―殿下は金淑媛の処遇をこのままにしておかれるおつもりなのか?
「それはどういうことだ? 中殿」
ユンが整った面を不快げに曇らせたのを見、王妃は小さな溜息をついた。
「つまり、このたびの件について、淑媛はとりあえず罪を免れたものの、依然として嫌疑がすべて晴れたわけではない。そのような者をこのまま以前と同様に後宮に留め置いては、皆に示しがつかないと」
「私も持って回った言い方は嫌いだ。だから、はっきりと言うが、それは、つまり淑媛を後宮から追放するということか?」
ユンの声音は固かった。