テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離  

 翌朝、めざめたときには、ユンは既に隣にはいなかった。昨夜の彼は殊に狂おしかった。時間にすれば、さして長いものではなかったと思う。しかし、わずかな間に続けざまに抱かれ、三度の絶頂を迎えてしまった。
 裸のまま眠ってしまったはずなのに、今朝起きた時、明姫はちゃんと夜着を着ていた。ヒャンダンが少し頬を染めて教えてくれたところによれば、気を失った明姫の身体を清潔な布で清め、夜着を着せたのはユン自身らしい。
「殿下は夜明けに大殿にお帰りになられました」
 まだ何も知らないらしいヒャンダンは頬を赤らめたまま言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ