身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
ユンは玉爾を投げるように乱暴に戻し、袖から小さな布きれを出した。義禁府で明姫が彼に涙を拭くようにと渡してくれた―彼女自身のチョゴリの袖を裂いたものだ。
「―くっ」
ユンはその布を頬に押し当てていたが、とうとう堪え切れずに嗚咽が洩れた。
「黄内官」
呼べば、忠実な内官はすぐに扉を開けて入ってきた。ユンの頬が涙に濡れているのを認め、黄内官は烈しく動揺した。
「殿下、大丈夫ですか?」
「すぐに都承旨と領議政を呼んでくれ」
「―くっ」
ユンはその布を頬に押し当てていたが、とうとう堪え切れずに嗚咽が洩れた。
「黄内官」
呼べば、忠実な内官はすぐに扉を開けて入ってきた。ユンの頬が涙に濡れているのを認め、黄内官は烈しく動揺した。
「殿下、大丈夫ですか?」
「すぐに都承旨と領議政を呼んでくれ」