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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離  

「しかし、もう少し後になさった方がよろしいのではありませんか」
「いいや、気が変わらない中に済ませたいのだ」
「承知しました」
 黄内官は一礼すると、都承旨を呼びに出ていった。
 ほどなく都承旨と領議政ペク・ヨンスが揃って大殿を訪れた。
「玉爾は既に捺してある。そなたはこれより私が申すことを一言一句書き漏らさぬように」
「はい」
 都承旨が慇懃に頭を下げた。

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