身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
それなら、女官の中に若い王の心を射止める娘がいるかといえば、それもない。寵愛していた金淑媛を失って以来、王の心は冬の氷のように凍え、瞳には何も映らなくなった。
その不思議な夢を見たのは、そんな味気ない独り寝の最中のことだった。ユンはただ一人でどこか広い野原に立っていた。
そこがどこなのかは判らず、ただ周囲は白い霧が取り巻いているだけだ。いつも側にいる黄内官もむろんおらず、ユンは声を限りに呼んだ。
―誰か、いないのか?
しかし、霧は一向に晴れず、ますます濃く深く視界を白く染め上げていく。
その不思議な夢を見たのは、そんな味気ない独り寝の最中のことだった。ユンはただ一人でどこか広い野原に立っていた。
そこがどこなのかは判らず、ただ周囲は白い霧が取り巻いているだけだ。いつも側にいる黄内官もむろんおらず、ユンは声を限りに呼んだ。
―誰か、いないのか?
しかし、霧は一向に晴れず、ますます濃く深く視界を白く染め上げていく。