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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会

―今すぐに行ってやらなくては。
 夜着のまま出ていこうとする王はやはり、尋常とは思えなかった。黄内官は同じく廊下に控えていた甥である若い宦官を呼んだ。
 既に六十近い自分では、若い王を押さえるのは体力的に無理がある。ゆえに、彼は甥の黄維俊を呼び、王を取り押さえさせた。
―殿下、どうかお気をしっかりとお持ちになって下さい。
 代わる代わる声をかけている中に、漸く王も落ち着いてきて、いつもの彼らしい冷静さを取り戻したのだった。

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