身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
「もちろん、その別の生き方というのが今より良い暮らしだとは思いません。親が私を寺に入れたのも、小僧になれば、とりあえずは衣食住にも困らず、学問もさせて貰えるからという理由でしたので」
彼は遠くを見つめるような瞳で首を振った。
「もしかしたら、明姫さまはやはりこんな山奥で終わるような方ではないのかもしれません。こんなことを言うのは差し出がましいのですが、五日前の夜、寺の近くに見慣れない立派な馬が繋がれているのを見ました。翌日の明け方には寺男が都から来た両班らしい方がその馬に乗って帰っていくのを目撃しています」
彼は遠くを見つめるような瞳で首を振った。
「もしかしたら、明姫さまはやはりこんな山奥で終わるような方ではないのかもしれません。こんなことを言うのは差し出がましいのですが、五日前の夜、寺の近くに見慣れない立派な馬が繋がれているのを見ました。翌日の明け方には寺男が都から来た両班らしい方がその馬に乗って帰っていくのを目撃しています」