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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと

 こんなのは反則。明姫は内心、叫びたい想いでその場に踏みとどまった。こんに切なげなまなざしで見つめられて、到底、一人にしておけるはずがない。やはり、この男、根っからの天然に見えて、その実、凄腕の女タラシかも?
「悪かった。私が言い過ぎた」
 恐らく人にかしずかれることに慣れ、謝罪などあまり自らしたことのない立場に生まれついた男なのだろう。
 言い方は少しぎごちなく、語尾が震えていた。

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