身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
本当に、何で私がこんな罪悪感を感じなきゃいけないんだろう。明姫は理不尽すぎるこの状況に半ば憤慨しつつ、再び腰を下ろす。
「判ったから、その手を放して。そんなに力を込めて掴まれたら、痛いわ」
手首を握る力の強さはやはり、男だ。それは幾らこの男が線が細くて軟弱そうに見えても、やはり力のある男―自分の抵抗などあっさりと封じ込めるだけの腕力を持つのだと示していた。
あまりに邪気がないし真面目そうだったから、さして疑いもせず、二人きりになることにも抵抗はなかった。だが、本当にこんな場所までついてきて、良かったのだろうか。今更ながらの不安と後悔がよぎる。
「ごめん」
「判ったから、その手を放して。そんなに力を込めて掴まれたら、痛いわ」
手首を握る力の強さはやはり、男だ。それは幾らこの男が線が細くて軟弱そうに見えても、やはり力のある男―自分の抵抗などあっさりと封じ込めるだけの腕力を持つのだと示していた。
あまりに邪気がないし真面目そうだったから、さして疑いもせず、二人きりになることにも抵抗はなかった。だが、本当にこんな場所までついてきて、良かったのだろうか。今更ながらの不安と後悔がよぎる。
「ごめん」