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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 その間に背後から襲いかかった内官たちが女官を取り押さえた。
―爺、大丈夫か?
 王は息も絶え絶えの老いた内官に駆け寄り、抱えるようにしてその場に座らせ、休ませてやった。
―殿下、勿体なきことにございます。私ごときのために、尊い御身を危険に晒してまでお助け頂くとは。
 内官は皺の刻まれた顔を感涙の涙で濡らした。彼が〝このような老体では殿下のお役に立てぬ〟と辞職願を出したのは、それからまもなくのことである。むろん王は引き止めたが、老人の意思は固く、幼い頃からの守役が頑固なのを知る王はやむなく勇退を許可した。

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