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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

「おっと」
 脇からさっと伸びてきた手がすかさず崩れる寸前の皿の山を支えた。
「大丈夫か?」
 王が今にも崩れかけようとする皿を支えながら、百花の顔を覗き込むようにして訊ねてくる。
「はい、ありがとうございます」
 互いに息遣いさえ聞こえてしまうのではないかと思えるほどの場所に王がいる―。何故か胸の鼓動が速くなってしまう。
「そなたは、いつも膨大な量の荷物を抱えて歩いているような気がするな」

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