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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 まだしも、沈貴人のあからさまな憎しみの方が判り易い分だけ、マシだったような気がする。
 しかし、自分が何故、王の側室に憎悪を抱かれるのか、その原因は依然として判らなかったけれど。
「予が持ってやると申すのだから、構わぬ」
 事もなげに言う王ではあるが、王はそれで良くても、百花が困るのだ。
「ありがたきお言葉にはございますれど、殿下、私にはもう二度とお構いにならないで下さいませ」
 百花は決然とした面持ちで言った。

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