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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

―殿下、人にはそれぞれに相応しき立場があれば、更にはそれに伴う行動というものが求められます。
 彼が王であると知った後も、あの娘の態度は変わらなかった。
 あの強さ、自分の頭で物事を考え、誰にも助けて貰おうとせず、一人で立ち向かおうとする姿はいつも前向きで、けして弱くはない。それは男に守られ媚びるだけの女しか知らなかった王にとっては大きな愕きであると共に魅力に思えた。あの漆黒の瞳に自分の顔を映し、あの可愛らしい顔にとびきりの笑顔を浮かべさせてみたい。

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