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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

「尚宮さま。どうか、お聞き入れ下さいませ。私は殿下のご寵愛をお受けする気はございません」
「な、何と」
 崔尚宮が細い眼をこれ以上はないというほど瞠った。
「愚かなことを申すな。殿下のご寵愛を頂くのは後宮の女官であれば誰もが夢見ておる女の幸運だぞ? それをお断りすると?」
「はい」
 百花はきっぱりと頷く。一切の迷いはなかった。
「私には夢がございます」
「夢、―とな」

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