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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 崔尚宮が忙しなくまたたきを繰り返した。よもや当人の百花が辞退するは考えてはおらず、相当慌てふためいているようだ。
「至らぬ身ではございますれど、崔尚宮さまや他の尚宮さま方のように、尚宮となって王室のために力を尽くしてみたいのです」
「愚かな、何と愚かな」
 崔尚宮はうわ言のように呟いた。
 しかし、尚宮になりたいという夢を持つことのどこか愚かなのだろうかと百花は思う。

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