夢で逢えたなら~後宮秘談~
第3章 結ばれる
後宮に仕える女官は元々、殿下のものと決まっている。それゆえ、生涯を誰にも嫁さず、独身を貫く宿命だ。我らが女の幸せを得るには一つしかすべはない。即ち、殿下のお眼に止まり、お側に上がること、更には懐妊し見事、王子をお生み奉ることよ。七つから後宮にいるそなたには、もう十分すぎるほど判っていることではないか?」
噛んで含めるように言う崔尚宮に、百花は潤んだまなざしを向けた。
「私は! 私は―女の幸せなど欲しいと思ったことは一度もございません。七つで入宮したときから、ただ尚宮になりたいとひたすら努力して参りました」
噛んで含めるように言う崔尚宮に、百花は潤んだまなざしを向けた。
「私は! 私は―女の幸せなど欲しいと思ったことは一度もございません。七つで入宮したときから、ただ尚宮になりたいとひたすら努力して参りました」