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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 うっすらと化粧を施され、一つに結んだ髪を横に流し純白の夜着を着せられていた。廊下をゆく途中で、百花の歩みは二度、止まった。その度に崔尚宮に引き立てられるようにして歩き始めたのだ。
 国王の居所である大殿(テージヨン)に到着すると、寝所の前で提調尚宮(チェジヨサングン)や観察(カムチヤル)尚(サン)宮(グン)、更には内侍(パンネシ)府(プ)長(サ)などが待ち受けていた。今宵、初めて王の寝所に侍る側室が首尾良く初夜を終えるのを部屋の外で朝まで見届けるのは後宮の習いだ。

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