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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 寝所には既にふた組の豪奢な夜具が整然と用意され、その傍らに酒肴の乗った卓まで整っていた。
 王は卓の前に胡座をかき、向かい合った場所を手で指し示した。そこに座れということなのだろう。
「今宵は我らにとっては婚礼を挙げるに等しい夜だ。まずは固めの盃といこう」
 王は自ら銚子を手に取ると、盃になみなみと注ぐ。グッとひと息に干した後、同じ盃を再び満たし、百花に渡してよこした。
「―お許し下さいませ」
 百花は盃を押し頂いたまま、うつむいた。
「私はお酒が飲めないのです」

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