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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 いやだと、このまま部屋に帰らせて欲しいのだと言えれば、どんなに良いだろう。でも、それはできない。今宵、王を拒めば、今度こそ王は怒り狂うだろう。そうなれば、百花だけでなく、実家の母や崔尚宮まで咎められる可能性だってあるのだ。
 百花は夢中で首を振った。
「そのようなことは、ございませぬ」
「ホホウ、それでは、予に抱かれる覚悟はできておるの申すのだな」
 百花はコクリと頷いた。
 王が初めて満足げな笑みを浮かべた。

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