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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 監察尚宮の切羽詰まった様子に、流石に感じるものがあったのか、王の表情が引き締まった。
「何があった? 懐妊中の金淑儀の身体に異変でも?」
「いいえ、金淑儀さまにはお変わりなく、お健やかにお過ごしにございます」
 その応えにややホッとした顔を見せ、首を傾げる。
「では、何だ?」
 監察尚宮は一瞬、躊躇いを見せ、弱り切ったように続けた。
「愼尚宮が―」

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