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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

「愼尚宮?」
 王は聞き慣れぬ名に首をひねり、すぐに、それが一昨日の夜、寝所に召したばかりの愛妾だと思い出した。
 二日前だけではない、王は昨夜も愼尚宮を寝所に召し、そのみずみずしい身体を存分に味わったばかりだ。
「百花のことだな。うん、愼尚宮がどうかしたのか?」
 唐突に出た愛妾の名に愕きながらも、王は機嫌良く訊ねる。
「愼尚宮が殿舎の掃除を致しておりまする」
「―」

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