テキストサイズ

夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 これには王も言葉を失った。仮にも国王の恩寵を得た尚宮が殿舎の掃除をするなど、聞いたこともない。立場的には側室ではないものの、特別尚宮を名乗るようになれば、その扱いはすべて側室に準ずるのが常識なのだ。
 王も近々、百花に独立した殿舎を与えようかと考えていたところであった。
「自分が暮らしている殿舎の掃除をしているというのか。一体、誰が命じたのだ? 崔尚宮が言いつけたとでもいうのか!」
 お気に入りの愛妾が掃除をしていると聞いて、王は眉間に皺を寄せた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ