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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第4章 愛撫

「いいえ。私なら、大丈夫です。元気だけが取り柄のようなものですから。お気遣い頂き、ありがとうございます」
 またたきで涙を散らし、百花は無理に微笑みを作る。
「身体が辛いなら、仕事は休んでも良いのですよ」
 その科白に、百花の白い頬に朱が散った。監察尚宮が何を言おうとしているか判ったからだ。王との閨のことに触れられるのは辛く恥ずかしいことだった。

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